BtoBトラブルにおける不当な契約解除要求・ネット誹謗中傷への対応

目次

事例(ご相談内容)

  • 依頼者: 事業者様(BtoB取引)
  • 相手方: 取引先事業者(法人および代表者個人)

依頼者は、相手方との契約に基づき誠実に業務を遂行していました。しかし、相手方から「契約内容が当初考えていたものと違う」という理不尽なクレームが発生。業務上のごく些細なミスを取り立てて過剰に問題視し、強硬に契約解除を主張してきました。

当初、依頼者は円満解決を図るため「一部返金」という形での合意解除を提案しましたが、相手方はこれを受け入れませんでした。そればかりか、相手方の代表者個人がインターネット上に依頼者の事業内容を批判・誹謗中傷する内容の書き込みを何度も繰り返し投稿する事態に発展しました。自社の信用失墜と業務への支障を懸念した依頼者は、当事務所に依頼されました。

解決策(弁護士の対応方針)

相手方の態度やネット上での過激な行為から、任意交渉(話し合い)での解決は困難であると判断し、早期の法的手続きへと舵を切りました。

相手方代表者「個人」に対する損害賠償請求訴訟の提起

ネット上に不当な書き込みを繰り返していた代表者個人を被告(相手方)として損害賠償請求訴訟を提起しました。代表者個人を直接の相手とすることで、事態の重大性を認識させ、強いプレッシャーを与える狙いもありました。また、客観的に見ても書き込み内容は名誉毀損(不法行為)に該当すると考えられる程度のものでした。

代理人弁護士を通じた合理的な和解の模索

訴訟提起後、相手方代表者にも代理人弁護士が就任しました。相手方代理人が非常に理性的で客観的な判断ができる方であったため、訴訟期日の場において、双方の弁護士間で感情論を排した現実的・合理的な解決案を模索することができました。

結果

裁判官を交えた協議の結果、双方が納得する条件で「裁判上の和解」が成立しました。

和解の主な内容

一部返金による合意解約(任意交渉時に依頼者側から提案していた額と大差ない金額です)

ネット上の誹謗中傷投稿の即時削除(和解成立後、早急に複数の書き込みを完全に削除すること)

相手方に理不尽な要求をすべて飲ませるのではなく、当初依頼者が提示していた合理的な条件(一部返金)で折り合いをつけつつ、最大の懸念事項であった「ネット上の誹謗中傷記事の削除」を法的な拘束力をもって約束させることができました。結果として、依頼者の事業信用と実質的な利益の双方を守る形での早期解決となりました。

当方としては「判決まで徹底的に戦う」という強い覚悟を持って訴訟に臨み、相手方の出方や反省の度合い、事業への影響度によっては、一切の和解を拒否して完全勝利(判決)を目指すことも十分に想定していました。今回の事例は相手方代表者に就任した代理人弁護士が理性的な方であったため、感情論を排した合理的な話し合いの土台が整ったことではじめて和解が可能となった事案です。

弁護士のコメント

相手方が感情的になりネット上での中傷などに及んだ場合、当事者同士の話し合いではかえって泥沼化することがあります。早期に「訴訟」という強い法的手段を講じることで相手方に事態の深刻さを悟らせ、結果として早期解決を引き出すことが可能になります。

今回は判決までの長期化による事業への負担を考慮し、相手方代理人の理性的な対応も相まって早期和解という最善の実利をとりましたが、相手方の態度次第では和解を拒否して徹底追及する方針も辞さない戦略的アプローチも十分考えられると思います

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