任意保険未加入の交通事故/主婦の休業損害と過失割合の減軽を認めた事案

目次

ご相談内容

知人からのご紹介でご相談に来られた案件です。 ご相談者は交通事故に遭われましたが、任意保険に未加入の状態でした。事故直後に当事務所へご相談いただいた際、頚部に痛みを訴えており、しばらく通院が必要な見込みとなっていました。

本件の大きな問題点は「過失割合」と「損害額の大きさ」でした。

①過失割合と高額な相手方修理費

当方(軽自動車/年式が古く時価額は少額)に対し、相手方は特殊車両(工事用トラック)で修理見積額が200万円を超えていました。相手方保険会社は「当方に30%の過失がある」と主張。過失30%だと当方の自己負担額は60万円以上となり、資力がないご相談者様にとって非常に厳しい状況でした。

②通院頻度の少なさ

お仕事や病院の予約の都合上、通院期間に対して実際の通院日数が非常に少ない状態が続いており、このままでは相手方から慰謝料や休業損害の大幅な減額・否認を言い渡されるリスクが高い状況でした。

弁護士の対応方針

過失割合および休業損害の認定が主な争点となりました。

過失割合については、事故当時の車両損害資料を取り寄せ、当時の交通状況、道路環境、双方の損傷箇所を詳細に分析しました。その結果に基づき、「依頼者側には衝突を回避する可能性(余地)がなかった」旨を法的・事実論に基づいて強く主張しました。

通院日数が少ない場合、保険会社は「治療の必要性が低かった」「症状が軽微だった」として慰謝料や休業損害を不当に低く算定しがちです。弁護士が介入し、痛みを抱えながらもやむを得ず通院回数を抑えていた事情や、通院時の症状経過を丁寧に立証し、適正な賠償額を認めるよう粘り強く交渉しました

解決結果

度重なる交渉の結果、当方の主張が認められ、過失割合を30%から10%へ大幅に引き下げる形で和解が成立しました。

物損の解決内容

  • 依頼者の車両損害額:約30万円
  • 相手方への支払額(10%前提):約20万円
  • 結果: 相殺払いにより、任意保険未加入でありながら当方が10万円を受け取る形で解決

人身の解決内容

通院頻度の少なさが懸念されたものの、弁護士の立証によりほぼ満額に近い金額を獲得しました。

  • 傷害慰謝料:6か月通院した場合の赤本基準95%の約90万円
  • 主婦の休業損害: 計 586,041円(賃金センサスに基づき算定)

※「賃金センサス」とは?

厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」による平均賃金データのことです。裁判実務では、専業主婦が事故で家事に従事できなかった場合、女性労働者の平均賃金(賃金センサス)を基礎にして「家事労働の対価(休業損害)」を計算します。

<休業損害の具体的算定(1日あたりの基礎収入:11,491円)>

  • 1ヶ月目(通院実日数5日): 11,491円 × 30日 × 1.0 = 344,730円
  • 2ヶ月目(通院実日数3日): 11,491円 × 30日 × 0.5 = 172,365円
  • 3ヶ月目(通院実日数3日): 11,491円 × 30日 × 0.2 = 68,946円

弁護士の雑感

もし任意保険未加入のまま30%の過失が適用されていた場合、相手車両の修理代として60万円近い自己負担が発生する恐れのある極めてリスクの高い事例でした。

また、通院日数が少ない場合、放置すると慰謝料や休業損害を提示金額から大幅にカットされるのが一般的です。早期の弁護士介入によって過失割合を10%まで下げると同時に、少ない通院回数でも赤本基準95%の慰謝料・休業損害を確保できたことは、非常に意義の大きい解決となりました。

最初に相談できる場所
碧凪法律事務所

\初回相談はLINEでも受付可能! /

企業様は直接ChatWorkから
お問い合わせいただくことも可能です

ChatWork(チャットワーク)用問い合わせボタン

  • URLをコピーしました!
目次