持病による退職、風俗店勤務、任意整理失敗からの自己破産で無事に免責許可決定を得られた事例

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事例

相談者様は高校卒業後、大手の会社に就職して5年間勤務されていました。しかし、女性特有の重い持病(酷い生理痛など)を抱えており、体調不良による遅刻や早退が原因で上司から嫌味やパワハラを受け、退職を余儀なくされてしまいました。

その後、キャバクラ勤務を経て風俗店で働き始め、実家の家賃や家族の生活費も一人で賄うなど奮闘されていました。しかし、生まれつき悪かった歯並びを治療するためのデンタルローンの返済や、生活費のための消費者金融からの借入れが徐々に重くのしかかりました。

一度は司法書士に依頼して一部業者と「任意整理(分割交渉)」を行ったものの、結局は支払いきれなくなり、根本的な解決を求めて当事務所にご相談に来られました。

解決策

本件は、以下の理由から裁判所の「管財人(財産や事情を詳しく調査する弁護士)」が選出される管財事件(少額管財)になることが確実視される事案でした。

  • 個人事業主扱いであるため、管財事件に配点される可能性が高いこと
  • 一部の業者とだけ任意整理をしていたため、特定の業者だけに優先して支払った「偏頗弁済(へんぱべんざい)」の疑いを持たれる可能性があったこと
  • 通帳履歴に多数の個人名義の入出金があり、不透明な資金移動を疑われるリスクがあったこと

そのため、裁判所や管財人が疑問に思うであろうポイントを先に予測し、通帳にある相当数の個人との入出金履歴を一人ひとりすべてリストアップしました。①個人との関係性、②各取引の具体的な理由、③免責不許可事由に該当しないことの説明、④現在の債権債務関係(貸し借りの有無)を網羅した説明シートを作成して破産を申し立てました。

ところが、管財人との面談の際、管財人から「歯列矯正のローンは借金の免責が認められない『浪費』にあたるのではないか」という予期せぬ指摘を受けました(破産法252条1項4号)。

破産法
252条(免責許可の決定の要件等)
1 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
(省略)
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

予想しない指摘で、かつ、管財人も毅然とした態度だったため、最初は面を食らいましたが、「よほど法外な美容目的でない限り、生まれつきの不正咬合を治す歯列矯正は、健康維持に必要な正当な医療行為である」と強く反論しました。

その後、裁判所からは何の指摘もなく、管財人もそれ以上の追及をしてくることはありませんでしたが、管財人が歯列矯正について過度に考えていた節があったように思われます。

結果

相談者様ご自身が、売上計算や人間関係の洗い出しといった精神的負担の大きい作業に対し、当方の指示に非常に素直かつ誠実に協力してくださったことで、裁判所から追加の指摘を一切受けることなく、無事に免責許可決定を得ることが出来ました。

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